PVT_SiC_dition|結晶成長やデバイスのシミュレーション【STRJapan株式会社】

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PVT SiC Edition

For growth of SiC crystal by PVT method
昇華法によるSiC単結晶気相成長専用エディション
製品概要
PVT SiC Editionは、SiC(シリコンカーバイト、炭化ケイ素)の昇華法(PVT法)による気相成長専用のエディションです。熱流体解析をベースに、昇華法によるSiC結晶成長をシミュレーションにより再現する事が出来ます。
昇華法による長時間バルクSiC結晶成長の場合、時間経過による結晶形状の変化が周囲環境(温度場、流場、濃度場)に与える影響を無視する事は出来ません。Virtual Reactor PVT SiC editionでは、長時間成長における結晶形状変化と伴に各時間の温度場や流れ場の計算が可能なため、より現実に近い現象をシミュレーションする事が出来ます。
また、結晶内の熱応力、基底面転位密度、貫通転位密度の解析も行う事が可能です。従って、リアクタースケールの成長解析から結晶の品質に関する解析まで総合的に扱うことが可能です。

PVT SiC Editionではアドオンモジュールとして、以下をご用意しております。
・ファセッティング解析モジュール:結晶表面におけるファセットを考慮する事が出来ます。
・転位ダイナミクス解析モジュール:貫通転位の時間進展、及び転位密度を計算する事が出来ます。
・非定常解析モジュール:昇温工程(温度)、冷却工程(温度、残留応力)の非定常解析が出来ます。
  • 図1. PVT法(昇華法)SiC成長モデル
  • 図2. 成長層(結晶、原料ガス、坩堝)の温度分布
図1. PVT法(昇華法)SiC成長モデル
図2. 成長層(結晶、原料ガス、坩堝)の温度分布
製品特長
■ソフトウェアの機能

製品紹介

PVT SiC Editionでは気相からのバルク結晶成長プロセスを支配している物理現象を計算モデルとして実装しており、温度分布、対流パターン、化学種濃度分布、熱応力分布、転位密度分布等の結晶成長の最適化において重要な物理量を求める事が出来ます。
結晶表面における表面反応においては、結晶表面近傍は熱力学的平衡状態と仮定した準熱平衡モデルを基本としており、拡散・脱離律速の温度領域を考慮することが出来ます。また、原料としてSiCパウダー、多結晶SiCを考慮する事が出来ます。原料パウダーの場合は、多孔質体モデルを適用する事が出来るため、パウダー内のガス流れや濃度拡散等をより詳細に再現する事が可能です。
[出力結果]
PVT SiC Editionでは、以下の様な計算結果を出力する事が可能です。

・温度分布
・対流パターン(ガス、パウダー原料中)
・気相中の化学種濃度分布(SiC2, Si2C, Si)
・パウダー原料の昇華速度、炭化度、空隙率分布、粒径
・結晶表面における成長速度分布、結晶形状
・結晶内熱応力分布(ミゼス応力、主応力、せん断応力)
・結晶内基底面転位、貫通転位(らせん転位、刃状転位)密度分布
・誘導コイルによるジュール発熱分布
・ヒーターパワー電力量 
・昇温中の温度分布の経時変化
・冷却中の温度分布、残留応力分布、基底面転位密度分布の経時変化
など
  • 図3. リアクター内の温度分布
  • 図4. 成長プロセス後半の結晶形状質量流束トレース パウダーの炭化度、粒径分布
図3. リアクター内の温度分布
図4. 成長プロセス後半の結晶形状質量流束トレース パウダーの炭化度、粒径分布
[計算モデル]
PVT SiC Editionでは、以下の様なリアクター内で起こっている物理現象をモデルとして実装しています。

・熱輻射、熱伝導、対流伝熱
 熱輻射は、形態係数を用いたSurface to Surfaceモデルを使用して計算を行います。また、熱伝導に関しては、
 固体の熱伝導率の異方性を考慮する事が出来ます。
・2波長バンドモデルにより固体内部輻射を考慮することが出来ます。
・抵抗加熱、または誘導加熱による加熱
・パワーの温度フィッティング
 指定座標の温度が指定温度になるようにパワーを自動的に制御する機能が実装されています。従って、
 より現実に近いプロセス制御を考慮する事が可能です。誘導加熱の場合は、実効電流の制御も可能です。
・原料パウダーの空隙率の変化に伴う熱伝導率の変化の考慮
・化学種の多成分輸送(濃度拡散・対流による移流)
・基板表面、坩堝壁、パウダー表面における表面反応
・SiC原料パウダーの蒸発、SiC粒子の炭化、過飽和による再結晶化
 原料パウダーの蒸発に伴う空隙率の変化、及びその変化の対流への影響を考慮する事が出来ます。
・結晶界面形状の経時変化、寄生付着多結晶形状の経時変化
 結晶形状変化は、擬定常近似モデルを考慮して計算されます。
・結晶のファセット面の考慮
・結晶内熱応力、基底面転位の発生
・らせん転位、刃状転位の伝播、及び結晶垂直断面の転位密度分布計算
・冷却プロセスにおける温度の変化、及び残留応力(HASモデルを用いた基底面転位による緩和の考慮)の発生
・成長層内の隙間による坩堝外部へのマスリーク
・多孔質坩堝からの坩堝外部へのマスリーク
・TaC(炭化タンタル)壁上での表面反応の考慮
・基板の反りによる隙間における熱抵抗の考慮(境界条件)
 など
  • 図5. 成長層内の温度分布、及び結晶形状の動的変化
  • 図6. 結晶内の刃状転位の伝播と転移密度分布
図5. 成長層内の温度分布、及び結晶形状の動的変化
図6. 結晶内の刃状転位の伝播と転移密度分布

図7. 冷却中の結晶内の応力分布、基底面転位密度分布

図7.HASモデルを用いた非定常計算によって得られた冷却後の結晶内の応力分布(左)、基底面転位密度分布(右)
(上段:冷却開始直後にパワーオフ)
(中断:1時間かけてパワーオフ)
(下段:2時間かけてパワーオフ)
解析事例

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